「教室だけが世界のすべてになっていない?」|子どもの居場所を増やす“ちゃんとした理由”
更新日:2 日前
今日あった嫌なことが、頭の中をずっとぐるぐるする。
気持ちを切り替えようと思っても、なかなか切り替わらない。
ぼーっとしてしまって、ほかのことが手につかない。
大人にも、ありますよね。
もちろん、子どもにもあると思います。

特に学校やクラスのように、毎日長い時間を過ごす場所で嫌なことが続くと、その出来事が「今日あった嫌なことの一つ」ではなく、まるで自分の世界の全部のように感じられてしまうこともあるのではないでしょうか。
そんな時、
「気にしない方がいいよ」
「もう忘れよう」
「もう少しみんなとうまくやってみたら?」
と声をかけたくなることもあります。
でも、気持ちを切り替えることだけが方法ではないのかもしれません。
今いる場所の外にも、自分の世界(居場所)を少し広げてみる。
それも、一つの方法だと思います。
9月28日は「いじめ防止対策推進法」が施行された日です。
この日をきっかけに、いじめを防ぐために何ができるのか、改めて考えてみるのもいいですね。
法律では、相手との関係の中で、子どもが心や体につらい思いをしている行為を「いじめ」としています。
周りから見れば「ふざけているだけ」「仲がいいから」と思えることでも、本人がどう感じているかを置き去りにはできません。
学校での出来事を子どもから聞いたり、学校から帰ってきた時にいつもと様子が違うと感じたりした時、親としては「どうしたら学校でうまくやっていけるのかな」と考えることがあります。
たとえば、クラスの輪に入りづらい。
あだ名で呼ばれるのが嫌だけれど、周りは冗談だと思っている。
仲良しグループの中にいるのに、自分だけ少し外側にいるように感じる。
もちろん、学校や周囲と話し合い、今いる環境を安全にすることは大切です。
そのうえで、もう一つ考えてみたいことがあります。
学校でつらいことがあった時に、学校の中だけで解決しようとしなくてもいいのではないでしょうか。
その子の世界を、その場所だけにしないことです。
学校以外の習い事に行ってみる。
地域の活動に参加してみる。
図書館に行く。
親戚の家に遊びに行く。
支援先で好きなことをして過ごす。
大げさなことでなくてもいいと思います。
「ここでは少し楽にいられる」
「この人とは普通に話せる」
「ここでは好きなことを分かってもらえる」
そんな場所や人が一つ増えるだけでも、子どもから見える世界は少し変わるかもしれません。
弊社が運営している放課後等デイサービス「キートス・アイキッズ」や、不登校支援を専門にしている「キートス・ベース」は、学校や家庭とは少し違う子どもの居場所、「第三の居場所」になり得る場所です。
だからこそ、ただ安心して過ごせる場所を用意するだけでなく、そこでの出会いや経験が、その子の世界を少し広げるものになるように、事業所の中でも関わり方を大切にしていきたいと思っています。
「ここなら少し楽にいられる」
「この人には話せる」
「自分の好きなことを知ってもらえた」
そんな感覚を、一つでも増やせる場所でありたいと思います。
ある日本の13〜14歳の子ども540人を対象にした2025年の研究では、家庭や学校とは別の「第三の居場所」がある子どもは、そうした場所がない子どもに比べて、感情面や友人関係の困難が少ない傾向が報告されています。
ただし、これは一時点の関連を調べた研究なので、「第三の居場所があれば必ず良くなる」とまでは言えません。
それでも、学校や家庭以外にも安心して過ごせる場所があることの意味を考える、一つのヒントにはなりそうです。
子どもの成長というと、私たちはつい、
苦手な勉強ができるようになる。
できなかったことを練習する。
新しいことを覚える。
そんな姿を思い浮かべます。
もちろん、それも大切な一歩です。
でも、学校以外の場所を探してみることも、一歩だと思います。
この二つは同じものではありません。
勉強や練習は、今はまだ持っていない力を少しずつ育てていく一歩。
別の居場所を探すことは、今いる場所の外に、自分に合う人や場所を見つけに行く一歩。
向いている方向は違います。
でも、どちらにも、
「今の自分の外側に、少し足を出してみる」
という共通点があるように思います。
知らない場所に行くのは不安です。
できないことに挑戦するのも恥ずかしい。
だから、その一歩は小さくていいと思うんです。
見学だけでもいい。
一度行ってみるだけでもいい。
すぐに馴染めなくてもいい。
そして、その小さな一歩を見つけ、一緒に振り返ることは、そばにいる大人だからこそできることでもあります。
例えば心理学には「自己効力感」という考え方があります。
簡単に言えば、「自分にも、これならできそうだ」と思える感覚です。
過去に「やってみたらできた」という経験は、その感覚を育てる材料の一つと考えられています。周囲からの励ましや言葉かけも、その材料になります。
ただし、一つの場面でできたことが、そのまま別の場面でも自信になるとは限りません。
だから、
「前もできたんだから、今回もできるでしょ」
と押すよりも、
「最初は不安そうだったけど、あの時は行ってみられたね」
「あそこでは話せる人が一人できたね」
「前より、行ける場所が一つ増えたね」
と、本人が踏み出した一歩を、一緒に見つけ直してみる。
そんな関わり方もできるのではないでしょうか。
今日踏み出した一歩が、明日すぐ何かを変えるとは限りません。
でも、「あの時、一歩出せた」という経験は残ります。
学校でうまくいかない時、
その学校やクラスだけを、子どもの世界の全部にしなくていいんです。
今いる場所の外にも、人がいる。
場所がある。
知らなかった世界がある。
今の自分の外側に、少し足を出してみる。
その一歩で、見える世界が少し広がることがあります。
そして、その小さな一歩が、いつか次の一歩のお尻を、そっと押してくれることもあるのだと思います。
9月28日。
いじめについて考える日に、そんな「世界を広げる支え方」も考えてみませんか?
この記事が少しでもお悩みの参考になればうれしいです




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