療育の原点を知る ― 河島淳子先生から学ぶ「子どもの未来を信じる支援」
- 本社staff-k

- 7月27日
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更新日:7月27日
はじめに
障害福祉に携わる中で、日々さまざまな制度や支援方法、発達障害に関する知識について学ぶ機会があります。
療育には多くの考え方があり、それぞれに大切な理念や実践があります。
今回は、その中でも日本の自閉症療育に大きな足跡を残した小児科医・河島淳子先生をご紹介したいと思います。
この記事は、個人が学んだ内容をもとに、河島先生の歩みや療育に対する考え方をご紹介するものです。
特定の療育法を推奨したり、当法人の支援方針を示したりすることを目的としたものではありません。
さまざまな療育の考え方を知るきっかけとして、お読みいただければ幸いです

近年、自閉症スペクトラム症(ASD)への支援方法は多様化し、ABA(応用行動分析)やTEACCH、感覚統合療法など、さまざまなアプローチが知られるようになりました。
その中で、日本の自閉症療育の歴史を語るうえで欠かせない人物が、小児科医の河島淳子先生です。
河島先生は、ご自身の息子さんが重度の自閉症と診断されたことをきっかけに、自閉症療育の研究と実践に人生を捧げた方です。
たまたまた見たYouTubeで先生のことを知ったんです。
医師としてだけでなく、一人の母親として試行錯誤を重ね、多くの子どもたちや家族を支えてきました。
この記事では、河島先生の歩みと療育への想い、そして現在の子育てや放課後等デイサービスでも参考になる考え方をご紹介しようと思います
我が子のために始まった療育
今では「自閉症」という言葉が広く知られていますが、河島先生が子育てをされていた当時は、自閉症に関する情報がほとんどなかったようです。
医療機関でも十分な支援方法は確立されておらず、多くの保護者が不安や孤独の中で子育てをしていた時代です。
河島先生もその一人でした。
ですが、「この子にはできない」と決めつけるのではなく、
「この子にはどんな力があるのだろう。」
という視点で息子さんと向き合い続けたそうです。
生活の一つひとつを観察し、何が苦手で、何が得意なのかを丁寧に見つめ、毎日の暮らしそのものを療育の場として考えました。
療育は特別な時間ではなく、生活そのもの
河島先生の療育で特徴的なのは、「療育は特別な訓練ではなく、生活そのもの」という考え方です。
例えば、
朝起きる
顔を洗う
着替える
靴をそろえる
食事をする
あいさつをする
買い物へ行く
家のお手伝いをする
こうした日常生活のすべてが、自立に向けた大切な学びの機会だと考えていました。
一つのことができるまで何度でも繰り返し、できた時にはしっかり認める。
その積み重ねが、将来の自立につながると信じていたのです。
「叱らない」だけではなく、「譲らないこと」も大切にする
そして河島先生の言葉として知られている考え方の一つに、
「譲ってはいけないところは譲らない」
というものがあります。
子どもが困っている時には寄り添い、理解しようとすることは大切です。
一方で、
人を傷つけてはいけない
あいさつをする
約束を守る
社会のルールを知る
こうした社会生活に必要なことは、子どもの将来のためにも一貫して伝えることが重要だと考えていました。
これは厳しく育てるという意味ではなく、「社会の中で安心して生活できる力を育てる」という視点に基づいた考え方です。
親も一緒に成長する療育
河島先生が重視していたのは、子どもだけではありません。
保護者への支援にも力を入れていらっしゃいました
家庭でどのように関わればよいのか、困った時にはどう対応するのか、どんな声かけをすればよいのか。
保護者が安心して子育てできるように、一緒に考え続けたのです。
また、同じ悩みを持つ保護者同士が支え合えるよう「わかば会」を立ち上げ、その後、「わかば共同福祉作業所」や「トモニ療育センター」の設立にもつながりました。
子どもだけではなく、家族全体を支えることが療育には欠かせないという考え方は、現在でも大切な視点といえると思います
石村嘉成さんとの出会い
河島先生の支援を受けた方として知られているのが、現在、画家として活躍されている石村嘉成さんです。
幼い頃はコミュニケーションや行動面で多くの困難がありましたが、河島先生は本人だけでなく、ご家族にも丁寧に関わり続けました。
私がYouTubeで見たのもまさに石村さんのことでした。
石村さんは動物を描くことが大好きでした。
その「好き」という気持ちを大切に育み続けた結果、その才能は大きく開花し、現在では国内外で作品を発表する画家として活躍されています。
もちろん、すべての子どもが同じような道を歩むわけではありません。
しかし、「好きなこと」や「得意なこと」を大切に育てるという考え方は、多くの子どもたちに共通する大切な視点ではないでしょうか。
現在の放課後等デイサービスとの共通点と違い
現在の放課後等デイサービスでは、SST(ソーシャルスキルトレーニング)、運動療育、学習支援、ABAの考え方を取り入れた支援など、さまざまな方法が実践されています。
また、近年では本人の意思や感覚特性を尊重し、一人ひとりに合わせた支援計画を立てることが重視されています。
河島先生の療育は、現在の支援とは時代背景も異なりますが、
将来の自立を見据えること
保護者と協力して支援すること
日常生活を大切な学びの場と考えること
子どもの可能性を信じること
といった考え方は、今もなお多くの支援者に示唆を与えています。
一方で、現在では研究に基づいたさまざまな支援方法があり、「これだけが正しい療育」という考え方ではなく、一人ひとりの特性や生活環境に合わせて支援を組み合わせることが大切だと考えられています。
子どもの未来を信じるということ
河島先生の歩みを振り返ると、印象に残るのは
「子どもの可能性を最後まで信じ続ける姿勢」です。
目の前のできないことだけを見るのではなく、
「この子は将来どんな大人になるのだろう。」
という長い視点で子どもを見つめ続けました。
その姿勢は、多くの保護者や支援者に勇気を与えています。
療育にはさまざまな考え方があります。
どの方法がすべての子どもに当てはまるというものではありません。
だからこそ、一人ひとりの個性を大切にしながら、その子に合った支援を家族や学校、放課後等デイサービスなどが協力して考えていくことが大切です。
河島淳子先生が私たちに残してくださった「子どもの可能性を信じる」というメッセージは、これからも多くの子どもたちの未来を照らし続けることでしょう。
この記事が少しでも読んでくださった方の胸にとまる何かがあれば幸いです
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