発達障害の「困った行動」に疲れたときに読みたい――『暴君のシェフ』がくれたヒント
- 本社staff-k

- 1月5日
- 読了時間: 4分
韓国ドラマ『暴君のシェフ』は、冷酷で感情を表に出さない「暴君」と呼ばれる王と、料理人との出会いを通して、人が少しずつ変わっていく姿を描いた物語です。
このドラマを発達障害のある子どもの親の視点で見ると、日々の子育てと重なる場面が数多くあったんです。

*画像はネットよりお借りしています
癇癪、強いこだわり、感情の切り替えの難しさ、相手の気持ちが読み取れない言動。
発達障害のある子どもを育てていると、
「どうしてこんな行動をするのだろう」
「どう関わればいいのかわからない」
と子どもの困った行動に悩む瞬間が何度も訪れるのではないでしょうか?
『暴君のシェフ』は、そうした親の戸惑いに寄り添いなが
ら、大切な視点を静かに教えてくれる作品だと思ったんです。
「困った行動」の裏にある感情
作中で王は、怒りを爆発させたり、他人を遠ざけるような態度を取ったりします。
周囲からは「暴君」「理解不能な人物」と見られていますが、
実際には不安や恐怖、混乱を抱え、それをうまく表現できない状態であることが描かれていきます。
これは、発達障害のある子どもの姿と重なります。
大きな音が苦手、
予定変更がつらい、
言葉で気持ちを伝えられない。
そうした特性が重なると、癇癪や拒否といった他者からみたら困った行動として表に出ることがあります。
『暴君のシェフ』は、行動だけを見て評価するのではなく、
「その子は今、何に困っているのか」を考えることの大切さを伝えています。
正そうとすると、関係が苦しくなる
王の行動に対し、力で抑えつけようとする人々は、かえって彼の心を閉ざしてしまいます。一方、主人公のシェフは、王をコントロールしようとせず、一定の距離を保ちながら関わります。
発達障害の子育てでも同じです。
「やめさせなければ」
「教え込まなければ」
と思えば思うほど、親子関係は緊張します。
子どもは責められていると感じ、防衛的になり、行動はさらに強く出てしまうことがあります。
ドラマは、「正しい行動」を身につけさせる前に、
「安心できる関係」
をつくることが何より大切だと教えてくれます。
安心できる関係が、切り替えを助ける
発達障害のある子どもにとって、感情の切り替えや気持ちの整理は大きな課題です。
無理に切り替えを促されると、混乱が増してしまうこともあります。
『暴君のシェフ』では、王が心を落ち着ける場面として、食事の時間が丁寧に描かれています。
決まった手順、穏やかなやりとり、否定されない空気。その積み重ねが、王の感情を少しずつ安定させていきます。
これは、発達障害の子どもにとっての「安心のルーティン」と同じなのかな?と。
特別な訓練よりも、毎日の安定した関わりが、子どもの心を支えてくれるはずです。
変えようとしなくていい
ドラマの中で、王は誰かに「直された」わけではありません。
理解され、恐れられず、拒絶されない経験を重ねる中で、自ら変わっていきます。
発達障害の子どもも同じです。
特性そのものをなくすことはできませんし、無理に変えようとすれば苦しさが増します。
しかし、周囲の関わり方が変わることで、困りごとは軽くなることがあります。
親ができるのは、
「普通にさせる」ことではなく、
「この子が安心して生きられる環境を整えること」なのかもしれません。
親もまた、疲れていい存在
発達障害のある子どもの育児は、先が見えず、親の負担も大きくなりがちです。
周囲に理解されず、孤独を感じることもあるでしょう。
『暴君のシェフ』は、強く見える王でさえ、孤独の中で生きていたことを描きます。
それは、必死に頑張っている親自身の姿とも重なります。
親が疲れきってしまえば、子どもを支えることは難しくなります。
助けを求めること、休むことは、決して弱さではありません。
おわりに ー 安心が行動を変えていく
『暴君のシェフ』は、
発達障害のある子どもの親に、
「行動の前に気持ちを見てほしい」
「急がなくていい」というメッセージを伝えています。
うまくいかない日があっても大丈夫です。
怒ってしまう日があっても、なぜ怒ってしまったのか?
それが自分の弱さからだったら、次はその弱さとどう向き合うのか?という自分への
問いかけができればいいのではないかと思うんです。
私がよく思うのは、親だって、神様や仏様じゃない。
できないことも、ダメな部分もたくさんある。
それが私なんだから、親として完璧じゃなくていい。
自分ができる、自分が目標とする親像に近づけるように
子どもと一緒に成長すればいいんだ。と・・・。
親子の安心できる関係は、一日で壊れるものではありません。
このドラマが、発達障害のある子どもと向き合う親の心を、少しだけ軽くする存在になれば幸いです。




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