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みんなといっしょがむずかしい?〜発達障害の子供と集団行動・共同作業〜

学校では、運動会の練習やグループでの勉強、掃除当番など、みんなで力を合わせて行うことがたくさんありますよね。


でも、「あの子はいつも一人で動いてる」「なんで指示を聞いてないんだろう?」と思うことはありませんか?


沢山の子供たち


もしかしたら、その子は「発達障害(はったつしょうがい)」という特性をもっているのかもしれません。


発達障害があると、人との関わり方や集団での動き方がちょっとむずかしくなることがあるんです。


今日は、そんな「発達障害の子供と集団行動・共同作業」の関係について、わかりやすくお話しします。



🌟 発達障害ってなに?

発達障害は、生まれつきの「脳のはたらき方のちがい」からくる特性です。勉強ができないわけでも、やる気がないわけでもありません。

たとえば──

  • 音や光、人の声にとても敏感な子

  • 思ったことをすぐ口に出してしまう子

  • じっとしているのが苦手な子

  • 順番やルールをまちがえやすい子


こうした特性があることで、みんなと同じペースで動くことがむずかしくなることがあります。



🤝 どうして発達障害の子供は集団行動が苦手になるの?


学校生活では、「まわりの様子を見て動く」「空気を読む」「タイミングを合わせる」などが求められます。でも、発達障害のある子はその“暗黙のルール”を感じ取るのが苦手なことが多いのです。

それぞれの特性ごとに、どんなことが起きやすいのか見てみましょう



① 自閉スペクトラム症(ASD)の場合

この特性がある子は、人との関係づくりや集団の流れを読み取るのが苦手なことがあります。


たとえば:

  • 先生の指示を「全員に向けて言っている」と気づかず、自分のことだと思わない

  • グループの話し合いの途中で、自分の好きな話をし続けてしまう

  • ルールをまちがえず守ろうとするあまり、まわりに合わせられない


→ 「みんなとちょっと違う動きをする」「一人で黙々とやってしまう」ことがあります。

でもこれは、**「わざと」ではなく「どう動けばいいかわからない」**からなんです。



② 注意欠如・多動症(ADHD)の場合

この特性がある子は、集中が続きにくい・思ったことをすぐ行動してしまうという特徴があります。


たとえば:

  • 掃除中にほかのことが気になって手が止まる

  • 話し合い中に思いついたことをすぐ言ってしまう

  • 並ぶときに順番を忘れて前に出てしまう


→ 「協調性がない」「まじめにやっていない」と誤解されやすいですが、本人もがんばっていることが多いです。頭の中では「やらなきゃ」と思っているのに、体が先に動いてしまうんですね。



③ 学習障害(LD)の場合

この特性がある子は、言葉の指示を理解するのが苦手だったり、文字や数を扱うことが難しいことがあります。

たとえば


  • 「2人組を3つ作って、順番に出てね」と言われると、頭の中で整理できず混乱してしまう

  • 作業の手順を覚えられず、まちがえてしまう


→ まわりは「ちゃんと聞いてない」と思うかもしれませんが、実は言葉が頭に入りにくいだけのことも多いです。



🧩 共同作業で起きやすいこと

発達障害の子供がグループで作業をするとき、こんなことが起こりやすいです

  • 自分のペースで進めたくて、まわりとズレる

  • まわりの意見を聞きすぎて迷ってしまう

  • 役割をうまくこなせずに落ちこんでしまう

  • 空気が読めずに思ったことをハッキリ言ってしまう

でもそれは、「みんなの気持ちをわかりたくない」わけではありません。どうすればいいかがわからないだけなんです。



🪴 どうしたらうまくいくの?

発達障害の子供も、少し工夫があるとみんなといっしょに活動を楽しむことができます。先生や友達が少し気をつけるだけで、グループ全体がやさしくなります。


🌼 ① 見てわかるように伝える

言葉だけの説明ではなく、絵・写真・表を使うと理解しやすくなります。「こうやって並ぶよ」「この順番でやるよ」と図で見せると、安心して行動できます。


🌼 ② 役割をはっきり決める

「なんとなく手伝ってね」よりも、「〇〇くんはこれを持って」「△△さんは次に言う役ね」と具体的に伝えると動きやすくなります。

みんなの中で「自分も役に立ってる!」と感じられることが大切です。


🌼 ③ 予定を前もって知らせる

「今日はグループ発表をするよ」「あと5分で順番がくるよ」など、時間や流れを早めに伝えると、心の準備ができます。

急な変化に弱い子も、少しずつ慣れることができます。


🌼 ④ 失敗しても責めない

思いどおりに動けなかったり、まちがえたりしても、「なんでできないの!」と言わずに「大丈夫、いっしょにやってみよう」と声をかけてあげてください。

発達障害の子は、失敗をとても気にすることが多いので、安心できる言葉が力になります。


🌼 ⑤ 得意なことをいかす

発達障害の子供の中には、観察力・記憶力・想像力などがとても高い子もいます。イラストが上手、ルールを正確に覚える、アイデアが豊富など、強みを生かせる役割をまかせると輝きます✨


🌈 みんなが気持ちよくすごすために


学校は、いろんな個性の子が集まる場所です。

ちょっと変わった行動をする子がいても、そこにはちゃんと理由があります。

発達障害の子供にとって、集団行動は「努力してもむずかしい」ことが多いけれど、まわりの理解とサポートがあれば、ちゃんと力を発揮できます。



💬 さいごに

みんなとちがう動きをする子を見たとき、「どうして?」と思ったら、その子の感じ方がちがうのかもと考えてみてください。


発達障害の子供も、みんなと仲よくしたい、力を合わせたい、と思っています。

ただ、やり方が少しちがうだけなんです。


だからこそ、まわりの「気づき」や「思いやり」がとても大切。

おたがいを認め合うことで、みんなが安心して自分らしく生きられる楽しい学校になりますね^^

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