視聴覚障害の子どもたちと日本の課題
- 本社staff-k
- 9月1日
- 読了時間: 5分
毎年夏に放送される「24時間テレビ」愛は地球を救う~より
24時間テレビ、皆さんごらんになりましたか?
毎年いろいろな方面で課題を抱える人達に今自分たちは何ができるのか?というのを
考えさせられる番組ですよね。

その中で、タレントの永瀬廉さんが、サポーターとして活動したもので
視聴覚障害をかかえる子供達と花火大会をやろうという企画。
とても面白い企画だし、いったいどうやって目が見えなかったり、耳の聞こえない子供達が楽しめる花火大会をやるのかとても興味深々でした。
まず、みなさんは「視覚障害(しかくしょうがい)」や「聴覚障害(ちょうかくしょうがい)」という言葉を聞いたことがありますか?
視覚障害とは「目がよく見えないこと」、聴覚障害とは「耳がよく聞こえないこと」をいいます。
日本には、見えにくさや聞こえにくさをもっている子どもたちがたくさんいます。もちろん、見え方や聞こえ方の程度は人によってちがいます。
まったく見えない子もいれば、少しだけ見える子もいます。
同じように、少しだけ音がわかる子もいれば、まったく聞こえない子もいます。
そんな視聴覚障害のある子どもたちが、日本でどんな課題(かだい=むずかしいこと)に出会っているのでしょうか?
1.視聴覚障害の子供達の学校での課題
学校は子どもたちが毎日すごす大切な場所です。
でも視聴覚障害の子にとっては、いろいろなむずかしさがあります。
視覚障害の子どもの場合
教科書や黒板の字が見えにくい
体育のときにボールが見えずに当たってしまうことがある
友だちの表情がわかりにくいので、会話に入りにくい
聴覚障害の子どもの場合
先生の声が聞きとりにくい
マスクをしていると口の動きが読めない(読話=口の動きを見て理解することができない)
友だち同士の会話が早すぎてついていけない
学校側の課題
日本ではまだ、すべての学校に十分なサポートがあるわけではありません。
拡大文字や点字の教科書が足りない
手話をできる先生が少ない
ICT(パソコンやタブレット)を使った支援が進んでいない
こうしたことが原因で、子どもたちは「わからないことが多い」と感じたり、「勉強が苦手かも」と思ってしまうことがあります。
2.視聴覚障害の子供達の友だちとの関係
学校生活で大切なのは勉強だけではありません。友だちと遊んだり、話したりすることも大切です。
でも、視覚や聴覚に障害があると、友だち関係で苦労することがあります。
視覚障害の子は、みんなが指さして笑っていても「なにがおもしろいの?」とわからないことがある
聴覚障害の子は、みんなが内緒話をしていると仲間はずれにされたように感じてしまう
本当は仲良くしたいのに、ちょっとしたことで「わからない」「ついていけない」と思ってしまうんですね。これが積み重なると、「自分はみんなとちがうんだ」とさびしい気持ちになってしまいます。
3.視聴覚障害の子供達と社会での課題
学校を出たあとも、視聴覚障害のある子どもたちが大人になったときに出会う課題があります。
バスや電車のアナウンスが聞こえない
駅や街の案内表示が見えにくい
アルバイトや仕事でのコミュニケーションがむずかしい
つまり、日本の社会のいろいろな場所が「見える人、聞こえる人が使いやすいように」作られていて、そうでない人は困ってしまうのです。
4.視聴覚障害の子供を抱える家族の負担
障害のある子どもを育てる家族にも課題があります。
視覚障害の子のために、家族が教材を読み上げたり点字に直したりしないといけない
聴覚障害の子のために、病院や役所で家族が「通訳」をしないといけない
本来なら社会のサポートがあるべきですが、日本ではまだ十分ではなく、家族ががんばらなくてはいけない状況が多いのです。
5.視聴覚障害の子供達に日本が取り組むべきこと
では、日本はどんなことに取り組んでいけばいいのでしょうか?
学校でのサポートをふやす
点字や拡大文字の教材をふやす
手話をできる先生をふやす
ICTを使ったわかりやすい教材を広める
みんなが障害について学ぶ
小学校から「視覚障害や聴覚障害の人がどんな工夫をして生活しているか」を学ぶ
理解が広がれば「仲間はずれ」や「いじめ」を減らすことができる
社会をバリアフリーにする
街の案内板を大きな文字や点字付きにする
電車やバスの案内を音声だけでなく文字や光でも伝える
お店や病院に手話通訳や筆談のサービスを広げる
家族の負担をへらす
学校や地域に支援員を置いて、家族が一人で抱え込まなくてもいいようにする
視聴覚障害の子どもたちは、毎日の生活でたくさんの課題に出会っています。
学校で勉強がわかりにくい
友だちとの会話についていけない
社会の中で情報が足りない
家族が大きな負担を背負っている
これらは、子ども自身のせいではなく、日本の仕組みがまだ十分にできていないからです。
これからの日本は、
「見えないからできない」「聞こえないから無理」ではなく、
「どうすればできるかな?」と考えて工夫していくことが大切ですよね?
そして私たち一人ひとりも、
「ちがうことはダメなことじゃない」
「みんなちがってみんないい」
という気持ちを持つことが必要です。
そうすれば、視聴覚障害の子どもたちも安心して笑顔で毎日をすごせるはずです。
24時間テレビの中でも、よく使われる花火の色ではなく、目が見えにくい子供にも
識別しやすい色を多く選んだり、花火の音、体に感じる振動を感じることができるグッズを利用したりして、視聴覚障害の子供達がとても楽しそうに花火を楽しんでいました。
大人たちがまず行動する!そんな世の中になるといいですね!